楽しさとは #2 ゲームを作るには [Memo #006]
Table of Contents
ゲーム制作に関する知見まとめ
YouTubeチャンネル「桜井政博のゲームを作るには」で紹介された知見をベースに、その要点や実例をまとめていく
仕事の姿勢 ※
仕事をする際の考えかたや心構えについて
遊びの仕事は遊びじゃない
- 作品を作る最終目的は"プレイヤーを楽しませること"に他ならない
- 開発の事情、困難はあれど、遊ぶ人が楽しめることを行動動機にするべき
プレゼンはスピード
お客さんに説明できるの?
- 理想と技術の間で理想的なバランスを取ることが肝心
仕様を変えること
- 一見して同じものでも、プログラマー等が違えば中身はだいぶ違う
- 企画段階から面白さは見据えていたほうが良い
- 制作物は様々なモノの組み合わせである
- 敵キャラをひとつ動かすのに必要なモノ
- 仕様
- 基礎デザイン
- モデル
- モーション
- エフェクト
- プログラム
- スクリプト
- 効果音
- 敵キャラをひとつ動かすのに必要なモノ
企画書の書き方
- よく「企画書は薄い方がよい」と言われるが、必ずしもそうではない
- 分かりやすいか、面白いか、内容は妥当か
- 密のあるプレゼンをスピーディーに聞ければページ数は問題ではない
- 全体の中の進行度合いがわかるようにすると良い
- 文章をただただ読み上げるプレゼンはしない
企画は強火でザッと仕上げる
- 企画書を書くときはモタモタしない
- 書くことの大筋を別途まとめ、項目を書き出したらプレゼン資料にどんどんまとめる
- 文章を長くしすぎない
- 図や写真をしっかりいれてイメージの補強をする
- 面白いかどうかが全て(グラフやリサーチ、プランBなどは不要!)
- 必要だと思えることだけをシンプルに伝える
- その企画を作りたいという気持ちが高いうちにザッと書き出す
苦労は忘れる、作品は残る
- 地道な作業、苦労でも、ユーザのことを思うと頑張れる
- プレイヤー1000人が遊ぶなら、苦労に対する効果は1000倍の倍率で報われる
ディレクターは"個"
- ディレクターに共通している点
- 何かの感覚に敏感で、人とは違うものを見ている
- 映像、ゲーム性、動き、物語、人の感じ方など全てにおいて個のセンスを持っている
- ある程度のバランス感覚は必要
- 自身から発信する太いアウトプットが必要
- 人に対して会話をすることが苦手なディレクターはあまり成り立たない
- ディレクターは個性やその人にしか持ち得ないものが問われる仕事
とにかくやれ‼
- 0を1にする瞬間、何もとっかかりが無い状態からエンジンをかけるのは難しい
- 解決策は、「とにかくやれ!!」
- 何かを計画したり書いたりするなら今すぐ書く
- 絵を描くなら、ひたすら描く
- どこかに出かける必要があるなら、今すぐ支度して出る
- やる気はあとから付いてくる
- SNSや動画サイトやゲームなどの娯楽からは少し手を切り、とにかくやる
- 自らを鍛えるのは、圧倒的に手数である
なぜコラムを続けられたのか
- 続けられた理由
- アウトプット
- 何かを伝えるのがあまり苦にならない
- 手をかけない
- 概ね毎回1時間前後で終わる
- あんまり気負わない
- 使命感を持たず、適当に書く
- アウトプット
- どんな仕事は、ある程度楽に考えたほうが良い
プランBに頼るな
- 特に企画書の場合、プランBを書くのはやめたほうが良い
- 総合的に見て、自分が最も良いと思う方法を選んだら良い
- 理想的な仕様が必ずあり、そこに対して費用対効果を狙うために軌道修正するといった程度で十分
- 企画者が最初から責任を持って考え抜いた一手を出し続けるのが大切
価値観の幹と枝先
- ゲーマーといえど、趣が異なる
- 価値観が多様化して、ゲームの形式も枝分かれのように広がった
- 任天堂のソフトが人気なのは、クオリティの良さもあるが、若年層にヒットしているという要素がある
- 成長していくうちに価値観は変わっていく
- 若年層は、価値観の枝分かれがない状態の層
- 枝の先はニッチ
インプットを太く、アウトプットも太く
- インプットとアウトプットを習慣づけてあたりまえにするべき
- たくさん取り組み、たくさん出す
- インプットの形は人によってさまざまである
- 同じものを見ても、さまざまなものを感じて反芻するというだけでもよい
- ただ右から左に流して終わるということをしないようにするべき
内圧をカンカンに高める
- 内圧とは、風船を膨らますような力、外に広がろいうとする力を表す
- 人は人に話すことで満足してしまい、圧を適度に抜いてしまうと中身の力が抜けてしまう
- ブレインストーミングなどは別の方法で、集団でアイデアを出す方法
- 耐えて打ち出すのが良い
- 進捗をSNSに投稿してガス抜きするのはNG
無意味な多数決
- 作品制作において、多数決には本質的な意味がない
- 企画時に多くの人が否定的に捉える仕様が、実際に作ってみたら面白かったという事例はいくつかある
- 多数決の結果は一番無難なものであり平凡になる
- 責任者が正しい判断をするには、スタッフが問題点や解決策候補を洗いざらい話すと良い
暗示の力
- 競争における必勝法
- 暗示を持って死にものぐるいで走る(逃げ足は早い)
- 心構えは大事だが、単に目標に向けて走るのではなく、全力で離れる逃げるものと考えると効果的である
コンセプトは貫くもの
- 開発が長期に及び、どの部分がどのようにおもしろいのかわからなくなることがある
- 最初に考えたコンセプトは絶対に曲げないようにする(コンセプトを見失わない)
- コンセプトとは、ゲームの魅力を方向付ける核のこと
- 最初に決めた方向に真っ直ぐ進めば、スタッフが作るリソースをフル活用できる
- 一方で、偶発的にできた面白さに従って柔軟に調整する方法も一般的
競争と豊穣
- ゲームづくりに携わる人は世界には大勢いる
- ユーザの時間の取り合いや奪い合いがおこっている
- 過去に生まれた作品とも競争になっている(サブスクプラットフォームではとくに)
- ユーザ側にとっては作品が多くてうれしいことばかり
- 誰かが苦しみながら作ったものは、別の誰かを喜ばせる
- 競争がありながらも、支え合いながら楽しい世界が作られている
ゲーム性 ※
ゲーム性を「かけひき」と見立て、そこで考えられることについて
リスクとリターン
- ゲーム性
- ゲームの面白さを表す言葉だが、意味は曖昧だった
- 桜井さんは「かけひき」と「リスクとリターン」であると定義している
- リスクとリターン
- “ノーリスク・ノーリターン"から、“リスク増・リターン可能性あり”、“リスク高・リターン達成"とゲームが進む
- ゲーム性:リスクを抑えてリターンを得る楽しさ
- 攻略:リスクを抑えてリターンを得る工夫
- 同程度のリスクでありつつ、工夫によってリターンが達成できるような仕組みが重要(この箇所でのゲームバランスが重要)
- 事例
- インベーダーゲームの"名古屋撃ち"は、“最大のリスク"と"最大のリターン"が重なっている状態
- スーパーマリオブラザーズでは、敵キャラのノコノコに近づくほどリスクが大きくなるが、攻撃の可能性が生まれる(リスクが最大になる時にノコノコを倒せる)
- ノコノコを武器にして敵を倒す際も、攻撃が跳ね返ってくるリスクがある
- 「かけひき」と「リスクとリターン」はあくまでゲームの面白さの一つの側面である
- ゲーム性を上げると一般性が下がる
ギュッとしてパッと解消
- “ストレスをかけて解消する"がゲームの面白さの核(快感を得られる)
- クリアしなければ進めない障害がある
- そのストレスを解消することでスッキリする
- ストレスは嫌なことだけど、全て取り去ってはいけない
- うまくクリアできたら、ストレスをより効果的に解消できる道筋につながる褒美を出す
- 経験値やスキルが手に入ることで、より強い敵に立ち向かえる
- お金を得ることで、装備を整えられる
- 単に次のステージに行けるだけでもいいが、多少の選択肢があるとゲーム性が上がる
- 斬新なゲームを作るなら、元からの意味を考え直すべき
RPGのゲーム性(移動部分と戦闘部分)
- 探索について
- “無理して進む"のか"安全なうちにもどる"のか
- リスクとリターン(失敗すると失う戦利品が多くなる)
- リソースを考えなくていいタイプのゲームはカジュアル寄り
- 戦闘におけるミス確率を上げるなどの総合バランスを調整する
- 戦闘(アクション性無し)について
- “敵に効果的な攻撃属性は何か"などを試して経験を作る
- 同じ戦力でよりよい結果を出すのは攻略でありゲーム性である
- プレイヤーがそこまで考えないことを想定してカジュアルにする工夫がある
- 弱点を突くことで連続攻撃ができるなど、攻略を促す設計をバランスよく行う
- かけひきに沿ったゲームの仕組みが必要
ゲーム性以外の面白さ
- ゲームには多様性がある
- 1.操作が楽しいもの
- モニターの中という自然の法則から解き放たれる空間は、不思議かつ魅力的である
- 操作をするだけで楽しませるには、適切な仕様や操作感を敏感にくみとり調整する
- 2.アドベンチャーゲーム/サウンドノベル
- かけひきなどよりも、物語を進めることによる面白さが先立つ
- 小説などと異なる表現方法や、コンピュータを活かしたシステム、それを活かしたシナリオ作りをすることが、ゲームとしての"お話”、“妙”、“面白さ"を生む
- “逆転裁判"は、かけひき色が強いという曖昧な境界線を持つ例
- 3.ムービーやストーリー重視のもの
- ゲームジャンルを問わずに考えられること
- ゲーム性を盛り上げる重要なエッセンスになり得る(先に進みたい欲求を生み出す)
- ユーザーがよりイメージを深めることができ、ゲーム画面の体感度を高めることができる
- 4.版権・キャラクターもの
- 映画、おもちゃ、カードなど、その作品のファンのために向けた商品群
- その作品世界をしっかり楽しませることができるかが重要視される(このジャンルのゲームにおいて、ゲーム性だけを語るのはヤボである)
- 5.実在モチーフの再現
- 戦略系でないリアルシミュレーションゲーム
- 疑似世界でごっこ遊びを楽しむ
- 現実に近づけることで、モニター外の世界観(ゲームで表現している以上の情報量)を感じさせることができる(深みが増す)
- 6.エディット/クラフト系
- 工作するだけでも、ゲーム性と関係なく楽しむことができる
- リスクとリターンを絡めると飛躍的に面白くなる可能性がある
- 高所から落ちたらやられてしまう
- 敵から防衛するために工作する
- 素材を得るために危険を冒す
- “5.実在モチーフの再現"と通ずるところがある(ごっこ遊び)
- 7.音ゲー
- リズムに合わせて音を鳴らすという楽しみはゲーム性よりも原始的な喜びに基づくもの
- 人間は純粋にそれを楽しめるようにできている
- 作りによってはかけひきも生まれるし、リスクとリターンを取り入れることも可能
- 番外.スポーツ
- 本物のスポーツ自体が何らかのかけひきが必ずある
- ゲーム性がゲームの面白さの全てではなく、それぞれの楽しみは0か1かではなく、曖昧に繋がっている
- 素直に楽しいことを感じられ、それをかみ砕くことができればより幅の広いことができる
悪魔の釜
- “新・パルテナ"は悪魔の釜を使って本気度を設定し、それによって難易度が変わり、報酬も変わる
- つまり、本気度によってリスクとリターンが調整される
- 失敗すると勝手に本気度が下がる仕組みであるため、屈辱感も与えずに行き詰まらないようにできる
- カジュアルではないという問題点がある(ゲームらしい遊びの反面、ゲームを厳しくする)
- 初心者への導入は重要
- 上級者への褒めも入れたいところ
ズルを許す
- “攻略"は、いかにプレイヤー自身が損をせず、得をできるのかという遊びである
- 損を大きくする代わり、得はもっと大きくするという遊びもある
- 一方的にトクになる"バランスブレイカーの箇所"が印象に残ったりする(楽しい)
- ダークソウルにおけるソウルが儲かる陣取り
- ドラクエのメタルスライム狩り
- 一方的にトクになる"バランスブレイカーの箇所"が印象に残ったりする(楽しい)
- ゲーム内でできるある程度のズルは許容すべき
浮遊感は落ちてこそ生まれる
- 自由に空を飛ぶという気持ちよさを演出するなら、落ちる仕組みやペナルティ(空を飛ぶための下準備)を加えるべき
- 緊張感をつける
- 飛ぶゲームだったら落とす
- 高速で進むゲームなら遅くなる条件を入れる
- 気持ちいいのはそこにリスクがあり、クリアした実感があるから
はたして敵は必要なのか
- 多くの作品で"倒すべき敵"が出現する(一部のストーリー主導型ゲームやパズルゲームを除いて)
- 一般的なゲームは、“ストレス"をかけてそれを解放することで楽しさ(“解消”、“成長”、“進展”)を得る
- このストレスを司るのは直接的な敵やゲームシステムばかりではない
- 主人公や友達に危機が訪れる(例:アンチャーテッド、Marvel`s Spider-Man)
- コストを支払う(例:桃太郎電鉄、Vampire Survivors)
- ゲームとして敵が無くてもいいが、敵に該当する"ストレス"と"解消"は必要である
- “成長”、“進展"を積極的に取り入れると良い
ごほうび要素はまっ先に
- 敵を倒した時やミッションクリア時に報酬を入れることは不可欠
- 追加でパワーアップ、お金、経験値、スキルポイントなどの報酬がある
- 先に進めること自体がご褒美になるが、物足りない
- 褒美要素はゲームの骨組みができたら、真っ先に考えて良い
- 褒美要素が数値化されているならば、それを消費するのとワンセットにする
- 数値の見せ方として素材がある
- 素材を集めて何かを作る(例:キングダムハーツ、妖怪ウォッチ)
- コレクションが貯まる(例:テラリア、あつまれ どうぶつの森)
- 数値の見せ方として素材がある
- 素材や報酬を集める楽しみも面倒くさく感じることもある
対戦は複雑になるもの?
- ゲームが複雑すぎてついていけないと言うユーザも少なからずいる
- 対戦ゲームはシンプルになるのか?
- パンチ以外に、ジャンプやガード、キックや投げなどの仕様を追加するとゲームを奥深くする(駆け引きが生まれる)
- 1987年の「ストリートファイター」では、技を出すのが難し過ぎであり、駆け引きを感じるのは少し難しかった(「ストリートファイターⅡ」では適切な技と駆け引きが設定されている)
- カジュアルに楽しめることも重要だが、何百回も遊ぶことに耐えられるゲームには、システムの深さが必要である(さじ加減が難しい)
- 開発のたびにシステムやルールを見直すべき
- スマブラのジャンプ仕様は毎回違う
落ちものパズルのゲーム性
- テトリスの着想元である「ペントミノ」にはゲーム性がない
- 落ちものパズルのリスクは、積み上がっていくブロックそのもの(積めば積むほど考える時間が短くなっていく)
- まとめて消せれば、準備的にリスクが高まる分、より気持ち良くなる
- 落ちものパズルはシンプルかつ直感的にゲーム性を理解できるジャンル
やれるとスッキリする?
- とある研究では、対戦型FPSで相手を倒した時には不安を感じ、相手に倒された時に安心するという結果がでた(ストレスからの解放感)
- ゲームのキャラクターは感情移入の対象でない場合がある
- ルールが残念感をかき消す場合がある
- リスタートが比較的早いのであれば、あまり尾を引かずに済む
- 相手を倒すことがリターンではない場合
- 相手を倒して決着がつくような瞬間でない場合、まだ最終目的に達していないから油断ができない
- 敵を倒した方も倒された方もそれぞれで面白いと思えるのであれば、娯楽として最高である
- 必ずしも対戦=制圧による快感ではない
単調な坂は山登りにならない
- RPGなどキャラクターが成長する作品において、想定されるマイキャラの強さと進むにつれて強くなる敵や障害の強さが正比例している状態は良くない(何の喜びも生まれない)
- 実際のバランスは、困難もあれば少し楽な平地もあるような凸凹が望ましい
- 障壁になるボスは、周りよりもボスが強いというセオリーによって配置しない
- ある程度の自由度をもってあちこちに進めるような場合、適切なシーソーバランスでゲームを作る
- 攻略をうまく残す方向でまとめられると良い
リトライは迅速に
- リトライ時の再開は極力迅速に行う
- 再チャレンジしてくれる可能性が上がる
- プレイヤーに何の感情も与えない時間を作らない
- 演出やローディングは短めに絞る
- どれだけのペナルティがあるかなどよりも迅速さが重要
- 難しさや困難への許容量を増す
- プレイヤーが操作できるようになるまで迅速にするというのがポイント
- ゲームからのリアクションが生じる時間を早くするに越したことはない
- ミスした時にその場復活できるのはやり過ぎ(何も考えなくてもクリアできる)
- やられたときの演出は短い時間で派手にストーンと入れる(一秒ぐらい)
- 復活した直後に敵がいるのは避けるべき
やり直しに見合う魅力はあるか?
- “デモンズソウル"や"ダークソウル"系のヒットの影響で、2010年代後半から高難易度ゲームが増えている
- パーマデスやそれに近い仕組みを持つジャンルが多く見られる
- パーマデス:キャラクターがゲーム内で死亡した場合、そのキャラクターが復活することができず、プレイヤーは最初からやり直さなければならない
- ローグライク:1980年にリリースされた"Rogue"に由来するジャンル
- ランダム生成されるダンジョン(マップ、アイテム、敵)
- ターンベースの戦闘(プレイヤーと敵が交互に行動する)
- 複雑なゲームプレイ(アイテム、呪文、戦略が豊富)
- パーマデス
- 例:“不思議のダンジョン”
- ローグライト:ローグライクから派生したジャンル(厳格な要素を緩和)
- “Rogue"の要素を含むアクションゲームなど
- 例:“WallWorld”、“Nova Drift”、“HADES”、“DeadCells”
- パーマデスやそれに近い仕組みを持つジャンルが多く見られる
- インディー系のゲームには合う
- リソースをあまり多く作れないインディー系のゲームには都合が良い
- プレイヤーは、ずっとやり直しになり、ずっと同じものを遊んでいたいというわけではない
- 「先を見たい」などの欲求(動機)を出させるためには、先に対する期待を見せなければならない
- 難易度による配慮も必要
- “ダークソウル"や"エルデンリング"などは、先に進みたいという強い気持ちにより進められる
- どのくらいで先に進ませることを想定できるのかは、ゲームのボリュームや展開、肉付けなどによって決められるべき
- 同じ場所で何度もつかえてしまう場合を想定すべき
シューティングゲームのゲーム性
- 2Dシューティングゲームにおけるゲーム性とかけひきの話の深掘り
- 例:“DARIUS"などのシューティングゲーム
- 画面上に出る弾数が少ないため、かけひき(リスクとリターン)を生むことは成功している
- スクロールの後方にいると弾切れを起こしやすく、前方にいると強い連射ができる
- 敵や地形に近いほど連射でき、遠ざかると連射ができない
- 画面上に出る弾数が少ないため、かけひき(リスクとリターン)を生むことは成功している
- 例:“GRADIUS"などのパワーアップシューティングゲーム
- ぶつかるとミスになる地形に敵がいたり、パワーアップが配置されている
- 地形に近づかなくても倒せる武器に一長一短がある(ゲーム性が広がる)
- どのデメリットを受け、どのメリットを得るのかが重要
ゲーム性を上げると、一般性が下がる
- ゲーム性を上げすぎると、一般性が下がることを意識するべき
- 複雑に敷いたルールはわかりにくさを生む
- ゲームの狙いによって、ゲーム性の向上を手加減するのも良い
- “星のカービィ"は、“スーパーマリオ"のように難しすぎない設計になっている
- 吸い込みができることで、リスクが高まらないうちに敵を無効化できる
- 体力制で6回までミスできる
- いつでも空が飛べる(穴への落下による一撃死が重いのでそれを避ける)
- 初心者のためにリスクを軽くする仕組みを持たせた"星のカービィ"は、ゲーム自体を面白くなくしてしまう欠点がある
- 人によって、難易度に対する感じ方は違う(初心者にはやさしくするべき)
- スマホなどで操作系やルールを簡単に抑えたゲーム程度の難易度が合うプレイヤー層もいる(非常に多くの商機がある)
- おおまかにターゲット層を意識するべき
昇龍拳コマンド
- 「→↓➘攻撃」の昇龍拳コマンドは、リスクとリターンという観点では極めてよくできている
- スティックの状態では最大のピンチに対して、対空に向いたワザが飛び出す
- 根本が強くできている & 出だし無敵でさまざまな攻撃を跳ね返す
- 相手に近ければ近いほど逆転のチャンスがある
- 攻撃の大きさ(小・中・大)
- スマブラでの昇龍拳は、カジュアル性を踏まえ、コマンド有りの場合のダメージ倍率を少し抑えている(ゲーム性を考えればコマンド有りはもっと強くするべき)
ランキングの功罪
- オンラインのランキングには良いところも悪いところもある
- メリット
- 頑張った成果がより上を目指すという目的意識をもたせられる
- マッチングで同じ程度の実力を持つプレイヤーを探す指針になる
- マッチング幅を狭めるとマッチングしづらくなり、広げると実力差が大きくなる
- デメリット
- 永遠に屈辱感を得る
- 一位にでもならなければ、ずっと負け続けていると言える(ずっと勝ち続けているとも言える)
- 永遠に屈辱感を得る
- スマブラでは、世界戦闘力という仕組みを入れている
- 世界でのプレイ人口の最大数を分母にしている(数値が高いほど順位が高い)
- 世界のトップを出さないようにできる(チートによる誤ったデータを自然に除外できる)
遊びって、何?
- 「遊びと人間」:1958年 ロジェ・カイヨワの書
- 遊びには4つの要素がある
- アゴン(競争)
- スポーツや対戦ゲーム(ゲーム性)
- アレア(偶然)
- ギャンブルやランダム(偶然出るアイテム)
- ミミクリ(模倣)
- シミュレーションや職業ゲーム(ヒット音の痛さや環境のリアルさ)
- イリンクス(めまい)
- ジェットコースターや高速スクロール(生理的な気持ちよさ)
- アゴン(競争)
- ゲーム性はアゴン(競争)を指す
- 単純にフィジカルでの有利不利ではなく、必殺の一手が勝敗を分ける
- 遊びには4つの要素がある
- 遊びは、人が活力を得て生活をするための訓練のようなもの
- なにか行動をして楽しく思うこと
- 行動から生まれる身体・精神・知性などを含めたさまざまなこと
- 運動・反射・考察・知性・感情・ルール・社会など
- 何気なく繰り返す遊びは様々な無形の価値を与える
- なにか行動をして楽しく思うこと
- 遊びは、意味がないことはなく、人が人らしく暮らしていけるためのさまざまな試みである
企画・ゲーム設計 ※
ゲームのアイデアや、仕組みを考える時に必要になること
フレームはコマ数
- 時間の単位(フレームの送り速度)は速度や距離の計算に大きな影響を与える
- 見え方や操作の滑らかさにかなりの差が出る
- 30フレームでも、ゲームは差し支えなく遊べる(映像作品などは30フレームが標準)
- 可変フレームレート(ゲームの速度は変えず、描画だけが落ちる)が利用されることもある
- NINTENDO64以降、ポリゴンで処理するようになると、描画だけを遅くし、処理をそのままにすることができるようになった(かけひきに違和感なくなる)
とにかくゲームさせてみて
- ゲームはプレイした最初の3分で、その楽しさがわかるようにしなければならない(アーケードゲーム的考え)
- ゲームのトレーラーについて
- 最初にストーリーデモを見せるより、どんなゲームなのかを見せた方がいい
- よくできたCG映像やオープニングなどは置いておいて、プレイ映像を見せた方がいい
- 最初にプロローグが入るなどのスロースターターなゲームは損してしまう
- 早めにゲームに移行するのが良い(最初にゲームさせてしまうのがおすすめ)
- 時系列で後になる部分を冒頭として遊ばせるようにする
- 主人公より前の誰かが戦うように演出する
- 映像を見せるようなことは、他の映像作品でもできる(ゲームでのみ楽しめる部分を味合わせるべき)
目の前に吊られたごほうび
- 報酬や褒美など、動機につながるものをゲーム途中で意識できないのは寂しい
- 1987年の"イース”
- 現在の経験値とレベルアップする数値が見えるので、ひとつレベルが上がるまでついつい頑張ってしまう
- 目の前に褒美を吊るすこと、目標をはっきりさせることはやる気を増してくれる
- 現代のゲームはお金もそれなりに潤沢で、装備品も山ほどあるというのが普通なので、このような演出は難しい
- 目的意識を手の届く位置に置き、達成したときの喜びにダイレクトに伝える方法として参考になる
ゲーム作りで食っていくには
- ゲームの職(アーティストやコンポーザーなどの専門職は除く)につくための唯一の方法は、自分でゲームを作ってみること
- ゲームを作る時に、どこが困難でどう解消したらよいかなど、学べること・経験を積めることは山ほどある
- 真似していても、作れるのは偉い
- 誰かに遊んでもらうのが良い
- 自身があれば、売るのも良い(広報の経験も身につく)
- 制作物にある程度の手応えが得られたら、ゲーム会社に選考書類と一緒に送ってみる
- 少しぐらい応募要件から外れていても大丈夫
- 単なる真似だと難しい
- どこかしら光るオリジナリティを加えることが必須
- ひとり、あるいは少人数で、メーカーに入らず制作を続けるという手もある(給料をもらうよりもそのほうが合っている人は多い)
- まずはゲームを作ってみること!
世界の窓はとっても狭い
- いかにグラフィックやシミュレーションを突き詰めても、モニターが小さいので、本物の運転間隔にならない
- より広い視野を凝縮してモニター上に展開する工夫もできる(視野角110など)が、矛盾を生む
- モニター画面がどれくらい視野を占有しているのかを意識する必要がある
- 現状、VRだと分解能が低くなってしまい、遠くがぼんやりとしか見えない問題がある
- ほとんどのVRデバイスは、まだ人間の視野角をカバーしきれていない(頭を見る方向に向ける必要がある)
- 小さな標的をめがけて撃たなければならないFPSシューティングゲームは、娯楽としての迫力に欠ける印象がある
- “新パルテナ"では、敵をプレイヤーの数倍もの大きさにする工夫ななされた
- 画面内のどこが使われているのかを考えながらレイアウトすることで、より良い効果が得られる
ワンボタンでできること
- 1つのボタンでできるゲームは、大きく分けて4種類
- 連射
- ボタン連打の早さを競うもの
- タイミング
- 所定のタイミングに合わせてボタンを押す遊び
- 早押し
- 合図などと共に、ボタンをなるべく早く押す遊び
- 切り替え
- ボタンを押した状態と離した状態を分け、適切に切り替える遊び
- 連射
- 長押しは、ゲームには貢献しにくいが、決定ボタンとしてよく使われる
- プレイ感覚と操作感覚がマッチすることが大事
- 感触についてはよく考えるべき
- シンプルだからこそ演出が効く
分解、考察、再構築
- 作品にオリジナリティを出したい場合、ただ面白いものを模倣するのでは及ばない
- 面白さの要素を分解し、独特の構成で再構築すると良い
- 例:なぜドリフトは楽しいと感じるのか?
- リスクとリターンがある
- そもそもドリフトは危険だが、うまく制動できれば有利に先に進める
- リスクとリターンがある
- 例:ゲーム的にドリフトをより楽しくするには?
- ドリフト全体がスピードアップするより、ドリフトでカーブをクリアした時にこそスピードアップしたほうが良い
- ドリフトと力を溜めるという動作を一緒にしたらどうか
- 丁寧に面白さの元を探ることも、組み立てて消化するためのアイデアも必要だが、ひとつひとつ組み立てていけば理解が及ぶ
良いおつかい、悪いおつかい
- シナリオの都合であちこちに行かされること
- 今の多彩なゲームなら、戦闘なり素材集めなどで道中も何らかの達成感がある
- 良いおつかいの条件
- 報酬・見返りが適切
- ゲーム内で使えるものや、新しいシナリオは報酬になる
- 喜びを得るスパンが短い
- おつかいの中で、小さい喜びを得られる瞬間はより多くあるべき
- 意表を突いた展開にするのもあり
- 攻略の自由を与える
- 遠回りだけど安全な道を選ぶか、短いけれど危険な道を選ぶか
- 結果が出たら素早く撤収させる
- 目的を達成したらすぐ戻れるシステム
- 楽しいところだけを楽しませれば良い
- 展開に期待を持たせる
- どうでもいいことにプレイヤーを動かさせてはいけない
- 設定背景を含めた謎が必要(行方不明の少女の探索など)
- 報酬・見返りが適切
フレームを計れるようになれ!
- フレームを目安で知ることができないと、何かと困る
- 30フレームはどのくらい?(60FPSの動画なら0.5秒)
- 時間(フレーム)が分かれば速度・移動距離がわかる
- 15フレームは、
- “スマブラ"で言うと、概ねスマッシュ攻撃や入力されてから攻撃が出るまで
- “鉄拳"で言うと、普通のキックが出るまで
- “ストリートファイターⅡ"で言うと、強パンチの出だしは15/2フレームぐらい
- 20フレームは15フレーム強であり、0フレームと30フレームの中央部分より少し長いくらい
- この基準点をどれだけはみ出すかによって目安をつける
- フレームとフレームの間を距離で測ることができる
- どのような粒度で測っても、レースゲームのゴールを正確に出すことができる
- この基準点をどれだけはみ出すかによって目安をつける
- 制作で使われるモーションリストを作ることにも、フレームの感覚が必要になる
- デバッグでも、最終的には人間によるフレーム数チェックが必要になる
自然なチュートリアル
- チュートリアルは、今のゲームには必要不可欠である
- ゲームの導入としても、できればいきなり実戦に飛び込ませ、戦わせながら学ばせるほうが良い
- ある程度進むと、どこかに操作が書いてあり、その操作をすることで先に進めるものが多い
- メッセージは、壁に直接書いてある場合、ボタンで見る場合、UIとして表示される場合がある
- 視覚的な操作ガイドを出す場合、キーコンフィグにも対応しなければならないのが面倒
- 新しいスキルを得たときのチュートリアルは、説明文と小さいムービーで説明することが多い
- チュートリアルが作業に感じられたり、ゲームの導入を遅らせることがないようにしつつ、どうせなら楽しく思わせる工夫が必要
ほめてやれ!
- ゲームは遊びなので、プレイヤーのよい行いに対してほめてあげることは大事
- 報酬を出すのは、ゲームのお約束的にそうしただけ
- “真・三國無双"などでは、撃破数などに応じて味方武将がプレイヤーを褒めちぎる
- “Forza"では、あらゆる行動でボーナスが付く
- “スマブラSP"では、ミスしたときの爆発に紙吹雪を追加した(撃墜した側を華やかに褒めている)
- プレイヤーの気持ちに添う、誇張できる演出を考えるべき
ノーリアクションを排除せよ
- メニューなどのUIにおいて、決定キーをいくつかのボタンに割り振っておくと良い
- 機能が無いからと言って、反応がまったく無いよりはあったほうがよい
- ムービー中なども、ボタンを押して何もないよりはなんらかのリアクションがあったほうがよい
- ボタンを押したか押していないかよくわからないようなリアクションは避けるべき
- ゲームは、アクションに対するリアクションを返すものと意識するとよい
ゲームのシナリオは特異
- 普通のメディアのシナリオ作りとは大きく異なる(逆手を取って斬新な見せ方ができる)
- ゲームをプレイしたい人にとってはシナリオが邪魔になる可能性がある
- スキップ可能でも邪魔になる(内容を逃してしまう心配が発生する)
- 基本的に主人公視点であること
- 敵や敵軍勢と戦うシナリオの場合、基本的に主人公は常に勝つ必要がある
- シナリオの都合で、成果を無駄にされるのはストレスになる
- 仲間がシナリオ上で死んだり離脱させられない
- ゲームをプレイしたい人にとってはシナリオが邪魔になる可能性がある
応援する楽しみ
- スポーツなどの観戦において、まずどちらかのチームに肩入れをするのが楽しむ秘訣
- スマブラでは、観戦モードにおいて勝者と思うひとにポイントをかけることができる
3Dゲームで酔う場合
- ゲームの酔いは、乗り物酔いとは同じ原理だが逆の作用で起こっている
- 酔いの原理は、目からの情報と内耳からの情報の差という矛盾によって起こる
- プレイする側が3D酔いを防ぎたい場合、視野を少し広げるのが有効である(テレビの外は動いていないと意識する)
- 演出を控えめにする(乗り物のフレームの揺れを無くして固定させるなど)
階層アウトラインでまとめる
- 階層アウトラインとは、文章を階層化して管理できるもの
- ハンドルをクリックするとその中身を開ける
- 自分のアイデアをまとめるために使うもので、人に見せるようにするには清書が必要である
見返りを想定する
- 企画段階で、何を褒美にできるかを考えておく必要がある
- 褒美は純粋に先に進みたい欲求を高める
- 集めた物をロストする可能性をもたせ、ゲームに深みを与える方法がある
- ゲームになんらかの目的を与えるのが褒美という意味では、動機と報酬が表裏一体として扱われている
あるものでしかわからない
- 人は何かに当てはめないと認識ができない(既存のものにしか尺度を持てない)
- まったく作り始めていないゲームを企画書段階から正確に伝えることの難しさたるや
- 企画者側が「〇〇のような」という風に説明するのは我慢してやめる
- 類似性を持たせるぐらいなら、オリジナルを遊んだほうがよい
- 何らかの作品を良点に売りにしていいのは続編ぐらい
- 「〇〇のような」という形容は世代や経験によってだいぶ違う
- オリジナル性は、類似性のものさしから外れたところにある
続編のありかた
- すでに構築されたシステムを改良し、肉付けに専念でき、大幅にリードできる
- ゲームは完成してみないと面白さがわからないことはざらにある
- 今までにないタイトルは開発中止のリスクも増す
知っていることは話が早い
- 海外産のFPSなどは、操作方法がおおむね同じ
- ゲームシステムの独創性より、没入感や世界の描写、シナリオ的な差なのを重要視している
- 説明などを省略できるのは、とても助かる強みである
- キーコンフィグは必ず入れたほうが良い
カスタマイズは想像で遊ぶ
- 武器選択やスキル選択にも通ずる話
- カスタマイズをしている作業そのものが楽しく、その作業を楽しませるものでなければならない
- 良いものを作るには、第三者の反応を意識することが不可欠である
- カスタマイズが深いゲームは、必ずしもその結果だけではなくて制作工程やそのUIに気を配るべき
- 思い通りのカスタマイズを助ける
- 効果を図解する
- 攻撃力の差を、単に数値の序列ではなく、直感的にわかるような仕組みがあるとよい
- メリット・デメリットがハッキリしている
- 使いこなしに意味があるものがカスタマイズを分ける
- カスタマイズするものを選びやすい
- ソートや仕分けなどでスピーディに選べれば良い
- おためしが迅速
- できればカスタマイズした結果をすぐに試せるとよい
- デザイン的にかっこいいもの
- 性能がなかったとしても、着せ替えだけで楽しいもの
- かわいいでももちろんOK
- 効果を図解する
仕様 ※
ゲーム内に組み込む仕組みの考え方など(よりコンピューターと付き合うことを想定)
チーム運営 ※
制作するチームや運営を円滑にする話
グラフィック ※
2D、3Dを問わず、絵作りについて
素材を描かず、光を描く
- 素材を描くのではなく、それに反射する光を描く
- すべてのものは、そこに反射する光を目に入れて認識している
- 後の計算で見た目に深みをつけることができるが、あらかじめ描いてしまうという方法もある
- 光を加えることで、群体としての明暗をもたらす
- さまざまな要素から色相の落差をもたらす(ある程度の色相のズレは印象をより深くする(光は乱反射する))
- 世界の奥行きを感じられるように空気感を出す
- 最後のアウトプットは、環境にある光を表現すること
モーション ※
キャラクターの動きを表現するノウハウについて
エフェクト ※
画面効果や演出に属することについて
サウンド ※
ゲーム制作時にある音のあれこれについて
UI ※
ユーザーインターフェースについて
プログラム・テクニカル ※
コンピューターと直接向き合う技術的な話
ファイル名は合理的に
- 「上必殺技」ではなく、「必殺技上」と呼ぶようにする
- ファイル名(ラベル名)について
- Aボタンで行う通常攻撃は「Attack」
- 弱攻撃は「Attack1」
- 弱攻撃のコンビネーションは「Attack11」「Attack12」「Attack13」
- スマッシュ攻撃は「Attack4」
- 中央の「N(Neutral)」、上の「Hi」、横の「s」、下の「Lw」、空中の「Air」
- 横スマッシュ攻撃は「AttackS4」
- 横空中攻撃は「AttackAirS」
- 弱攻撃は「Attack1」
- Bボタンで行う必殺ワザは「Special」
- Aボタンで行う通常攻撃は「Attack」
- 誰の目から見ても、ファイル名ですぐにワザがわかること以外に、ソートをした時に比較的きれいに並ぶことも利点
- ファイル名(ラベル名)について
- 正式名称では、「上必殺技」と呼ぶ
- プレイヤーの操作そしては方向から入るから
- 日本の開発者は、くれぐれもローマ字によるファイル名は極力使わない方がいい
- 作った人だけが分かればいいわけではない
調整をしやすくする仕組み
- パラメータを参照し、調整したい数値のほぼすべてを迅速に変えられるようにする
- プログラムが骨、パラメータが筋肉
- Excelで記述したパラメータを1ボタンで開発機にコンバートできる仕組みが便利
パラメーターを【】でくくる(個別仕様が必要な時)
- キャラクターなどを動かす命令や式がプログラムだとしたら、移動するスピードや攻撃力などを数値化したものがパラメーター
- プログラムは命令を処理する手順書、パラメーターは肉付けを行うための数字
- キャラごとの移動や特殊な行動に関するパラメーター
- ディレクターやゲームデザイナーのアイデアをプランナーが仕様書にする
- 仕様書に沿ってプログラマーがプログラムを組むと実機でキャラクターが動くようになる
- その後、プランナーがパラメーターの調整(ゲームバランスの調整)を行う
- プログラムとは別の参照先を作り、プランナーがいじれるようにする
- 最初の仕様書上で、どの部分をパラメータ化したいのかを明確に伝える必要がある
- パラメーターは、担当者以外の人が見ても意味を通りやすくする必要がある
- パラメーターの記載ルール
- パラメーター名を口語で書き込む
- パラメーター名を【 】でくくる
- 数値化したいところを◯で書く
- 例:【ワザ開始時のX速度は◯】で移動を開始
同時に【ワザ中のX減速度は毎F◯】で減速する
- 例:【ワザ開始時のX速度は◯】で移動を開始
- パラメーターの羅列だけで仕様がわかるようにすると良い
チケットでタスク管理
- プロジェクトでは、ほとんどの仕事はチケット化されている
- 担当者から担当者に手渡されることで、チケットを持っている人が仕事をすることになっている
- 例:以下のそれぞれの仕事がチケット化されてサーバー上で手渡しされる
- プランナー
- モデル
- モーション
- プログラマー
- エフェクト
- サウンド
- モニター
- それぞれでリーダーや担当者が決められている
- チケットにはステータスがあり、進行中・完了・保留・破棄などがある。
- チケットにはある程度の期限限定がなされる(リーダーやマネージャーが管理する)
- デバッグにもチケットを使う
- バグはすべてチケット上でレポート化される
- セクションリーダーによって修正担当者を配分する
- タスクを管理して、やるべきことを明快にするべき
ファミリーベーシック
- 初めてバッテリーバックアップを採用したゲームソフトは1986年"ドラゴンスレイヤー”(スーパーカセットビジョン版)
『スマブラ』のふっとばし
- “スマブラ"は、攻撃側の攻撃力が高いほど、相手側の蓄積されたダメージが高いほど大きくふっとぶ
- パラメーター
- ベクトル
- 全方位を細かく個別設定できる
- 攻撃側の移動に少し沿わせるように補正をかけている(空中コンボなどの確度を上げ、すっぽ抜けを減らす)
- ふっとばし後の実際の軌跡は、同じ条件下であっても、やられる側の落下加速度や重さに依存して変わる
- リアクション影響値
- 攻撃を与えた際、倍率をかけてふっとぶ大きさを設定できる
- リアクション加算値
- リアクションに無条件に足すことができるふっとばし力
- 体力が低いうちは、上に打ち上げる攻撃をしてもあまり大きくふっとばない(ある程度以上のふっとばし力を担保する)
- ただ加算するだけではふっとばし力が大きくなり過ぎるので、リアクション影響値で抑えながら併用して使う
- リアクションに無条件に足すことができるふっとばし力
- リアクション固定値
- リアクションを完全固定にする(どんなにダメージを受けていようと完全に固定したリアクションが得られる)
- 例:マリオのスーパージャンプパンチは、連続ヒットしている時には固定リアクションにし、最後の一発だけを普通のふっとばしにする
- リアクションを完全固定にする(どんなにダメージを受けていようと完全に固定したリアクションが得られる)
- ベクトル
多くの人がファイルをいじる方法
- なんらかの管理ツールで監視する
- ファイルを誰かがいじる時は、そのファイルにロックをかけ、編集が終わったらサーバーに上げてロックを解除する
- 2人以上の編集がバッティングしたときは、管理ツールがマージを試みる
- どうしても矛盾が起こる場合は手で修正する
- なぜか先祖返り(前の状態に戻ること)が起こる
ツールとゲームの連携(CEDEC2020)
株式会社ハル研究所 中野さん
「カービィの開発ツールをつなげて便利に! —ツール・ゲーム連携手法の紹介—」のまとめ
- ゲーム開発環境について
- アセットを作るツール、情報を確認するツール、ちょとしたフローを効率化するツールなど、大小さまざまなツールを使ってゲーム開発を行う
- これらは、何かしらの方法でゲームと連携する
- エディターで作成したアセットは、コンバートされ、ゲーム上にロードされる
- エラーレポートやデバッガーは、ゲームから抽出したデータを加工して抽出する
- ツールは、開発者とゲームをつなげるもの
- これらは、何かしらの方法でゲームと連携する
- ツールとゲームの連携をおろそかにすると、ゲームの品質ダウンにつながる
- より快適に、より便利に連携する必要がある
- ツールとゲーム連携の理想型は統合ゲームエンジン型
- UnityやUEなど
- 作るとなると、基礎部分の変更がしづらいため、慎重な設計が必要であり、開発のコストもかかる
- “カービィ"開発チームの開発環境の考え方
- ツールとゲームの連携に限らず、開発環境の開発・改善は、自分たちのチームの特徴に寄り添うことが大事
- “カービィ"開発チームの特徴
- 非内製ミドルウェアをそれなりに使う
- こだわりたい部分は内製ツールを使う
- プログラマの多くがかけもちしており、開発環境の開発のリソースがない
- “カービィ"開発チームの特徴
- 方針:こだわりが実現しやすく、コストもかかりすぎない方法でツールを作成
- 大事なこと:1つ1つ作りすぎず必要十分な機能におさめる
- 大事なこと:ゲーム開発に集中できるように使いやすさを意識する
- 大事なこと:ツールを作るではなく、使われるツールを作るを目標にする
- ツールとゲームの連携に限らず、開発環境の開発・改善は、自分たちのチームの特徴に寄り添うことが大事
- ローテクなものでコツコツとする手法(Wii・3DS時代)
- 統合開発環境がスタンダードになり始めた時代
- 共通の開発環境を用意したいが、専門の部署があるわけではない
- 開発環境の改善は、大きなコストをかけて大きく改善するものばかりではなく、小さなコストでも大きく改善するものもたくさんある(「できることからやる!」)
- アセットを手軽に実機で確認するフロー構築
- アセットのコンバート(ランタイム用のデータにコンバート)
- 最初の最初は、バッチファイルを用いたアセットコンバートフローを用いていた
- 毎回ドラッグ&ドロップするのが手間
- バッチファイルの存在の周知コスト
- デバッグ操作によるシーンリロードも手間
- アセットコンバートフローの改善
- GUIコンバートツールの導入&オートシーンリロードで改善
- 誰が使うかという要素は、ツールを作成する上で大事
- 最初の最初は、バッチファイルを用いたアセットコンバートフローを用いていた
- アセットのコンバート(ランタイム用のデータにコンバート)
- コンソール出力をトリガーとしたエラーレポート送信
- 再現率が低い不具合の情報が不足しがち
- 不具合の情報を確実に残す仕組みが欲しい
- エラーレポートによる情報収集のしやすさ改善
- 開発者の手間をかけずに、エラー情報をサーバーにアップロード&Web上で確認できる仕組み
- エラーレポートによる情報収集のしやすさ改善
- 処理負荷・メモリ使用量のWeb可視化
- 処理負荷・メモリ使用量を全ステージで調べるのが大変
- 時間をかけずにNGなマップを調べたい
- Web上でゲーム中の統計情報を確認する仕組み
- 時間をかけずにNGなマップを調べたい
- 処理負荷・メモリ使用量を全ステージで調べるのが大変
- 統合開発環境がスタンダードになり始めた時代
- より早いイテレーションを求める手法(Switch時代)
- フレームワークの新ハードサポート、初めてのフルHDゲーム開発、シェーダーエディタの用意、PBR・ポストエフェクトなど、やらないといけないことがたくさんあった
- 品質に直結するイテレーション環境
- ハードの進化によるアセットの作成量や求められる品質がアップ(イテレーション環境の重要性もアップ)(「できることからやる!」)
- YAML ファイルのホットリロード
- YAML形式で記述したパラメータをゲーム上で取得できる仕組み
- プログラマしか編集しないものはスクリプトの定数で、デザイナーや企画職などの非プログラマが編集するものはYAMLパラメータとして逃がす仕組み
- 誰が、どのように使うのかを想像してから作るのが大切
- スクリプトのホットリロード
- スクリプトのイテレーションをもっと速くしたい
- プログラムコードの大半をしめるのは内製スクリプトシステムMintのコード(残りはC++)
- ホットリロードが実装されると開発効率の改善が期待できる
- 内製エディタのリアルタイム編集
- 背景装飾エディタの開発効率改善へ
- 背景装飾エディタのリアルタイム編集
- ソケット通信は、ストレージを消費せず双方向にデータをやりとりできる仕組み(ストレージを介さないので即時性もある)
- 今までは、一時ファイルというストレージを使ってデータのやり取りをしていた(一方通行のデータのやりとりには向いている)
- エディタからゲームに送信するデータ
- プレビュー開始時に配置情報をゲームにすべて送信
- 以降は変更があるたびに差分データを送信(例:AオブジェクトのBプロパティの値をCに変更)
- ゲーム側はエディタから受信した差分情報を元にデータを書き換え
- ゲームからエディタにも情報を送信
- ゲーム画面上でモデルをクリックしたらエディタに選択要求を送信
- エディタ上には3D空間が描画されていないので、3D空間上の操作はゲーム上で実装&エディタに送信
- C# + .NETで実装
- ソケット通信は、ストレージを消費せず双方向にデータをやりとりできる仕組み(ストレージを介さないので即時性もある)
- スクリプトデバッガ
- 内製GUIスクリプトエディタのデバッグ効率の改善
- プランナーはScratchのようなブロックベースのスクリプトエディタを使用
- 大きなスクリプトとなると、ゲーム上で今どこを実行しているのか把握しづらい(ボス戦など)
- 実行中スクリプトブロクの可視化
- Node.js + Electronで実装
- C#でないアプリでもゲームと通信できる
- ソケット通信は抽象化されているため、ツール側の言語や開発環境を縛られないのが特徴
- C#でないアプリでもゲームと通信できる
- プランナーはScratchのようなブロックベースのスクリプトエディタを使用
- 内製GUIスクリプトエディタのデバッグ効率の改善
- 開発環境と向き合おうとする場合、
- まずは「できることから」「できる範囲で」チームメンバーが喜んでくれることを
- “カービィ"チームの開発環境も最初から快適・便利だったわけではなく、開発環境の整備にリソースをたくさんかけられたということもない
- 背景装飾ツールはエンジニアが提案して改善された事例である
- まずは「できることから」「できる範囲で」チームメンバーが喜んでくれることを
広報 ※
ゲームを知らしめるための要素
雑談 ※
企画コンセプト ※
桜井さんがいかにしてそのゲームを考えたのかについて